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2017年3月24日

3月1日(水)、経団連会館において、約100名の出席者のもと、2016年度(第18回)倉田奨励金贈呈式を開催しました。

2016年度(第18回)倉田奨励金贈呈式 集合写真

倉田奨励金は、社会課題と研究助成の関係を明確にした内容にリニューアルをし、「ヒトと社会」をキーワードとして自然科学と社会科学との融合分野も助成対象とするなど、新しい「倉田奨励金」として今年度よりスタートしました。

理事長より贈呈書を手渡し

田中理事長の挨拶、城山選考委員からの選考経過報告の後、受領者一人一人に理事長が奨励金贈呈書を手渡しました。
つづいて、文部科学大臣のご祝辞(板倉審議官ご代読)を賜り、受領者代表挨拶として各分野より1名づつ、3名の受領者よりご挨拶をいただきました。

理事長より贈呈書を手渡し

  • 田中理事長 田中理事長

  • 城山選考委員 城山選考委員

  • 板倉審議官 板倉審議官

受領者代表挨拶

エネルギー・環境分野代表 北陸先端科学技術大学院大学 増田 貴史氏

エネルギー・環境分野代表 北陸先端科学技術大学院大学 増田 貴史氏

エネルギー・環境分野代表 北陸先端科学技術大学院大学 増田 貴史氏
外国の調査で、日本の子供が環境問題と科学技術の関係に大きな関心をもっていること、国家の経済成長の原動力の85%は技術革新によることが報告されています。科学技術の振興は、日本の若い世代の関心に応える新しい社会を形成するのに不可欠です。私たちは科学の新しい研究領域を切り拓き、産業競争力の源泉として、また地球的規模の課題への対応として社会に還元できるよう、研究に邁進します。

都市・交通分野代表 東京大学大学院 加藤 浩徳氏

都市・交通分野代表 東京大学大学院 加藤 浩徳氏

都市・交通分野代表 東京大学大学院 加藤 浩徳氏
世界的に都市化がすすみ、国連によれば2050年までに世界の人口の66%が都市に住むと予想されており、都市は人類が生み出した最高の発明であるとも言われます。一方、都市にはさまざまな課題もあります。交通問題、局地的な環境問題、農村や地方の活力低下、自然災害への対応などのニーズに応じた文理融合研究による解決手法の開発を、社会問題先進国である日本の研究者がすすめることは、世界の課題解決に資するものです。奨励金を最大限に活用して課題解決の努力をしたいと思います。

健康・医療分野代表 大阪大学大学院 福原 学氏

健康・医療分野代表 大阪大学大学院 福原 学氏

健康・医療分野代表 大阪大学大学院 福原 学氏
私は、アロステリズム(協同効果)を利用した高分子センサの研究をしています。食品添加物であるシクロデキストリンを使って高分子に情報を伝えて、ペプチドなど生体関連物質のセンシングを行うものです。現在医療の診断でもっとも大きな課題は、死亡率が高く罹患率が近年急激に上昇している膵臓ガンの診断です。早期発見には診断材料の感度を一桁、二桁上げる必要があり、それには産官学が一体となった取り組みが必要です。倉田奨励金の支援により数年後に大きな研究成果が得られるよう研究、教育に精進します。

閉会後の記念パーティーでは、(株)日立製作所研究開発グループ、技術統括センタ長の福山満由美氏より乾杯のご発声をいただき、受領された研究者の皆さんとご来賓の方々が、和やかな雰囲気の中、情報交換など交流を深めていました。

福山センタ長
福山センタ長

日立製作所のご来賓と歓談する受領者
日立製作所のご来賓と歓談する受領者

歓談する受領者の皆さん
歓談する受領者の皆さん

パーティーは受領者と企業の交流の機会でもあります。日立財団は、社会課題の解決をめざす研究をオープンイノベーションにつなぎます。