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PIONEER TALK Vol.6 YUMIKO ARAI

学生時代。子供の頃からの夢、
建築家になるために勉強しました

荒木:
今、建築のお仕事をされていますけれども、大学も建築学科でお勉強されているんですよね。
荒井:
はい。
荒木:
建築を大学で勉強したいと思ったのは、いつ頃からで、何かきっかけはあったのでしょうか。
荒井:
きっかけはあまり覚えてないのですが、物心ついたときから将来の夢は建築家になりたいと書いていました。何か漠然と建築というものに興味を持って歩んでいきたいなと思っていたというところがありました。
荒木:
子どもの頃から建築をやりたいなと思っていらっしゃったんですか?
荒井:
小学生のときから将来の夢は建築家でした。
荒木:
すごいですね。では大学の専門を選ぶときには迷わずという感じでしたか。
荒井:
迷いなく、建築に行きたいから選ぶというような感じでした。
荒木:
建築もいろいろと広いと思うのですけれども、大学で勉強されている間には、こんなことをやりたいとか、何かそういうことはお考えになっていらっしゃいましたか。
荒井:
そうですね。建築家ってすごく漠然としていますけど、大学に入ると建築にもさまざまな専門領域があるということを知って、その中で自分がどういう方向に進んでいきたいのかなっていうのを、非常に悩みながらの4年間であったなと思います。
荒木:
大学で勉強された建築の中身について、もう少し詳しく教えていただけますか。
荒井:
大学の研究室では、光触媒の超親水性という性質を利用して、室内の温熱環境を測定することをテーマとしていました。
荒木:
環境ですね。
荒井:
室内環境を良くする、どうやったら人が良く、快適に感じるかというようなことを研究しておりました。
荒木:
そのテーマを選ばれたのには何かあるのですか。
荒井:
何か面白そうだなと。実験棟を1棟建てまして、それに実際、散水をしてみて、どの点にどういう現象が起きるか、素材を変えたらどうなるかなどということを、大きなテーマとしてやっていた研究室でした。それが非常に面白そうだなと思い、興味を持ったので希望しました。
荒木:
他に何か、建築学科で勉強していて、こういうところがすごく自分としては良かったとか、面白かったとか、こういう部分が印象深かったとか、そういうことはありますか。
荒井:
建築のさまざまな分野があって、いろんな専門領域を持たれた方がいて、大学ではその辺をオールラウンドに見ることができます。自分自身の同級生もいろんな領域に進んでいっていますので、そういった方々とのつながりを持てたりするところも非常に勉強になったなと思います。
荒木:
今でもいろんなところに行かれた同級生の方々とは、時々話をしたりするんですか。
荒井:
そうですね。たまに集まったりしています。
荒木:
例えば、そういう方の中で、自分の今やっていることと全く違うエリアをやってらっしゃる方もいらっしゃいますか。
荒井:
建築業界でない方もいますし、建設ではなくて、例えば住宅系に進まれた方とか、もっと専門領域に進まれた方もいらっしゃって、その話を聞くことが、いろんな見方もあって面白さを感じます。
荒木:
建築学科は工学部の中にあると思うのですけど、同じ工学部で、他の工学系の研究室、あるいは学科と比べて、どういうところが違うと思いますか。
荒井:
まず、女性が非常に多いというのが感じるところで、私が行っていた当時でも4割ぐらいは女性でしたので、おおむね半数ぐらいに、今はなっているんじゃないかなと思います。やはり工学部でも生物系は女性が多かったり、どうしても電気や機械系だと少なかったりっていうのがありますね。ただ、そんな中でも、大学で一緒にやっていると、そういった少ない女性たちとも知り合うことができたりするところが面白かったです。
荒木:
大学で建築学科を専攻するためには、もちろん理科系なので、受験のときには数学だとか、物理だとか、そういう理数系の勉強もしなければいけなかったと思いますが、苦手感とか、大変だったとか、あるいは好きだったとか、そういったところはどのような感じだったでしょうか。
荒井:
元々嫌いではなかったのですけれども、そんなに得意ではなかったような気もします。ただ、やはり建築学科に進むには必ず理系で進む必要があったので、そのために数学だったり、物理だったりを一生懸命勉強したというところはあります。
荒木:
あんまり得意じゃなかったけれども、やりたいことがあったから、そのためだったら頑張る。そんな感じですか。
荒井:
そうですね。はい。
荒木:
建築学科は、理系にはありますけど、いろんな要素があり、例えば、電気工学や機械に比べるとちょっと、同じ工学部の中でも異質だと思うのですが、とはいえ、理系の知識、おそらく計算などもしなければいけないと思いますので、必要になってきますよね。そこは、ご自身の経験から、そんなに得意じゃなければ駄目だっていう感じではないという、そんな感じですか。
荒井:
そうですね。やはり計算が得意であれば、今の仕事に生きるところもたくさんありますし、必要ですが、それは、現業で経験したことで補っていける部分でもあると思います。まずは進みたい道に進むために、それを一生懸命やるというふうにしていました。
荒木:
何となくこう、理工系に進むとなると、数学が得意じゃなければいけないんじゃないかとか、そういうふうに思う人が多分多いと思うのですけれども、必ずしもそういうわけではないんじゃないかなということですね。
荒井:
そう思います。そんなにこう、理系っていうハードルは、そこまで高くはないのではないのかなと思います。