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日立財団Webマガジン「みらい」2017創刊号
シンポジウム講演録
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講演録 4

介護の準備とICT(情報通信技術)の
利活用について

株式会社 日立製作所
公共システム事業部

川崎 英樹 氏

介護が必要になったら、同じ境遇の方々と知り合いになって、
情報交換をすると良いと思います。

今日の本題の1つである、「介護が必要になったらどうしたら良いか?」ですが、私は介護の専門職ではないので、介護職の知人に確認した内容をお話ししたいと思います。最初に介護の制度についてですが、私は長年介護のシステム関連を担当していますが、制度が3年に1度大きく法改正されるため、最新の制度を理解するのは非常に難しいと感じています。介護制度を利用するためには、まず市区町村の介護担当課への利用申請が必要です。その際には、全ての自治体に地域包括支援センターが設置されているので、その窓口で事前に介護相談をすると最新制度を教えてくれるので便利だと思います。なお、地域によっては高齢者安心センターなど名称が異なっています。もうひとつ、介護についての情報を得る場所として「〇〇カフェ」がキーワードだと思います。「認知症カフェ」や「ケアラーズカフェ」など、介護の当事者が集い情報交換をする場が「〇〇カフェ」と呼ばれています。誰でも気軽に参加できますので、同じ境遇の方々と知り合い、情報交換をする場として有効だと思います。
 また高齢になってから介護状態にならないようにするキーワードは、「骨折に注意すること」です。骨折をすると一気に容態が悪化することが通例ですので、とにかく骨折しないように気をつけることです。それから、骨折したからといって必要以上に長期入院してベッドに横になるのは間違いです。高齢者は体を動かさないと筋力が一気に低下するという統計もあるので、入院するとそのまま寝たきりの介護に突入すると言われています。とにかく歩くことは重要だと言われていますので、普段から筋力が低下しないように体を動かすのが良いでしょう。ちなみに、以前、在宅医療の勉強会に参加した時、高齢者に特に必要なビタミンは、ビタミン何か?というクイズがありました。答えを言ってしまうとビタミンDだったのですが、骨を強くするための重要なビタミンということで、ビタミンDを一定量とっている高齢者は、そうじゃない高齢者と比較して、約20%骨折する割合が少ないと聞きました。そのあと、効き目があるかどうかは分かりませんが、薬局でビタミンDサプリと、ついでにマルチビタミンのサプリを買って、札幌の母親に郵送して飲んでもらっています。とにかく、突然の骨折だけは防止したいので、藁にもすがる想いで飲んでもらっています。先日、母と会話したら、髪の毛が増えたみたいだわ!と言っていたので、増えてる増えてる!と言って、飲み忘れしないように、モチベーションアップを図っているところです。
 もうひとつのキーワードは、身体だけではなく口のケアも頑張ることです。年齢とともに口の筋力が弱っていきますが、自分の力でおいしいものを食べられるように、口腔歯科の先生など専門職の方に聞いて、口の筋力が衰えないよう頑張ると良いと聞きました。いずれにしても、介護に関して困ったことは抱え込まず周囲の方に相談することが大切です。日本の介護殺人事件は未遂を含めて、2週間に1回起きていると聞きましたので、早い段階で周囲の方に相談して心のケアをすることが大切だと思います。

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公益財団法人 日立財団WEBマガジン「みらい」 http://www.hitachi-zaidan.org/mirai/01/index.html
※本講演録は、日立グループの見解を表明するものではありません。

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